とある日の夜道、小五郎の前にかつて仕事の的として葬り去った弥勒坊燕斎の双子の兄である安倍川の仙吉が現われた。仙吉の意図を計りかねる小五郎に対して、仙吉は不吉な言葉を残し、去っていく。 後日、幕府から「頼み料を支払えば復讐・仇討ち・仕返しを代行する」という幕府認可の「仇討ち屋」なる組織が設けられるとの通達が出され、江戸の住人たちは驚きを隠せずにいた。そんな中、仇討ち屋の設立によって自分たちの仕事の依頼を奪われる立場となるお菊も「お上の考えは解らん」と言わんばかりに呆れかえるが、先陣を切って、仇討ち屋を開業したのが安部川の仙吉だった。 仇討ち屋の活躍で、江戸の町は歓喜に溢れるが、一方で、仇討ち屋の裏取りが甘く、その結果、依頼とは全く別の人物を殺害する不手際も多発していた。この事態に仙吉も驚きを隠せず、仇討ち屋を考案した老中、加門橋ノ介にその旨を話すも加門は全く取り合おうとしない。しかし、幕府に認可のもとに設立された仇討ち屋によって、誤って大勢の者が殺されたとの報が江戸中に広まり町は騒然となる。
View more